7月27日 長野県須坂市 第22回 蔵の町須坂花火の夕べ 雷雨のち晴れ


 予報はかんばしくない、それでもとても楽しみにしている大会の1つなので、天候回復を願いながら須坂に向かう。
 私は長らく須坂を観覧してきたのだが、身に危険を感じるくらい怖い雷雨にあったのは、今回が初めて。花火現場のすぐ側で雷が落ちる・・・・、電力会社の車がサイレンを鳴らしながら走り回っている。
 雷は花火にとっては天敵、そう、電気点火主流のこのご時世、須坂も電気点火を行っているので、とても心配だった。正直、これは逝ったかも・・・と思うくらい強烈な雷群だった。
 道という道は水で溢れかえって川状態、このままでは、まともに花火は打ち上げられない・・・そう思った。

 ところが奇跡が起きる・・・開始1時間前あたりから北のほうから晴れ間が見えてくるようになってきた!次第に雨は止み、気温がキーンと冷え大気も澄んでいる状態、風も程よいサイド風と、文句なしの絶好のコンディションとなった。
 少し前の状態からするととても考えられない・・・・今日は豊田おいでん祭りと重なっていたため誰もいないだろうと思っていたが、柏崎帰りの勇者もいた。共に喜びを分かち合ったのは、言うまでもない(笑)

 プログラムを確認して目を疑ったのは、例年より30分早められて、7時15分よりスタート。まだ空が明るいというのに・・・・・案の定明るいうちのスタートであった。
 主催者の進行の悪さに関しては後ほど書くことにしても、打ちあがる花火のすごい事!澄んだ透き通った発色、形、花火の完成度といったものは、今年見てきたどの花火よりも素晴らしい。
 須坂のすごいところは、その花火1つ1つが活き活きと何の阻害も受けなく、見事に咲ききっているところ。スターマインと言っても、50発以下というのもザラ。なのに、あそこまで表現できるものか?と思わせるような打ち上げ内容である。その素晴らしい色彩を放った花火が、目の前にスコーン!スコーン!と飛び込んでくる。これだから、須坂は止められない。 このような演出は、花火自体がよっぽど高レベルできちんと作られていなければ不可能。同じような演出をやっても、退屈極まりないであろう。ここ須坂においては、至福の時間である。



幽玄夜噺(ゆうげんよばなし)


百万人の拍手が聞こえる


平和の祈り
”マーガレットに愛を込めて”


錦の花絵巻


蔵の町須坂の夜空に
満天の華


 大玉単発も種類豊富で、質においても今更言うまでもなかろう。7号、8号、10号打ち上げでは、同種の花火を大きさの違いで見せてきたり、また、同系列の違う花火で見せてきたり、はたまた芯部、親星に覆輪をあしらえてきたり・・・と、ここまでやる納涼花火大会はどこにある?
 極めつけは、終盤の「THE花火”芸術玉賛歌”」。芯入、雌雄芯、八重芯、三重芯の4連打である。ここまで見せられると、本当に参りました状態。



尺玉
昇分火付大輪の花


7号
菊花の彩


7号,8号
五色彩星芯 煌きの花


尺玉
五色彩星芯 煌きの花


尺玉
金彩の華


7号
創作花火コレクション


7号
創作花火コレクション


8号
百花園


尺玉
百花園


尺玉
花の造形


8号
覆輪の花
 


尺玉
菊花の極み
 


尺玉
THE花火”芸術玉賛歌”
緑紅芯菊先緑紅


尺玉
THE花火”芸術玉賛歌”
雌雄芯菊先青光露


尺玉
THE花火”芸術玉賛歌”
八重芯変化菊


尺玉
THE花火”芸術玉賛歌”
三重芯変化菊






 花火の内容そのものは、非常にシンプル。花火そのものを活かすために、余計なものは一切加えない。世間一般の花火大会は、余計なものをたくさん足したがるが、その逆であり、それが須坂の根本的な良さの1つだと思う。
 こういう花火を見てしまうと、最近の物量花火を見て、何だかなぁ〜なんて思ってしまうのである。

 残念ながら、この須坂も良いこと尽くめではない。今夜の大会進行は、過去最低であったと思う。個人から協賛頂いた花火も、明るい空へ打ち込んでしまうという体たらくである。
 1つのプログラムが終わったあと、3分くらい間を空けていたのも意味不明。煙待ち状態なら分からない事もないが、今宵の条件で煙は停滞することはない。全てがすぐに打ち込んでもクリアに見える。この間は、見ているものにとっては何とも苛立たしい。
 結局、終了時刻は例年とそれほど変わらなかったのではなかろうか。いったい、何のために開始を早め、進行を遅らせたのか?わざわざ見ている者を不快にさせる、全く意味不明の運営である。

 花火を活かすも殺すも運営次第、今年も各地でこのような事が起こったようであるが、この須坂も残念ながらその内の1つとなってしまったようだ。競技会などで優勝、もしくは上位入賞の花火がたくさん打ち上がります・・・といいながら、運営サイドは、その花火の価値を全く分かっていないのである。


<HOMEに戻る> <観覧記録インデックス>

inserted by FC2 system